最近はホント暑い日が続きますよね。
子育てしていると、子どもと遊ぶ機会が圧倒的に増えるので、夏の暑さを痛烈に感じていえる今日この頃です。
そこで夏に多いのがやっぱり「熱中症」です。
先日も久しぶりの仕事休みで、家でのんびりしていると突然の電話が・・・
もちろん、この時間にかかってくる電話は幼稚園しかありません。
「あの~、〇〇くんが少し調子悪いみたいで。お迎えお願いできますか?」
せっかくの休みで、ゆっくりしようと思ったのにまさかの呼び出しです。
熱ですかときくと、少し熱が高くて、でも元気なんですけどねって。
先生からは軽い熱中症じゃないかと思うのですがってことで、
「それならもうちょっと様子みてくださいよ・・・」とは言えず、
とぼとぼ息子を連れて帰ってきたのですが、息子は家につくなり大はしゃぎ!!
えっ、熱は?しんどくなかったの?っていうぐらい走り回っております。
でも侮ってはいけなのがこの熱中症なのです。
先生は、それがわかっているから呼び出したんだと思います。
まあ、熱中症についてはある程度私自身も知識があったのでわからなくもないのですが、
子育て中のママさんたちにしたら元気なのにって思いますよね。
今日はこの熱中症について、実は知っているようで知られていない、そのメカニズムと
熱中症についての医学的知識から見た正しい対策方法の部分をお伝えしていきます。
[toc]目次
そもそも熱中症とは何なのか?何故起こるのか?
よくニュースでも取り上げられる熱中症対策ですが、これが起こる原因をまずは知らないと、熱中症がくるたびにママやパパが大変になります。
そして、何より一番つらくなるのがお子さんなのです。
子どもは(特に小学校に上がる前なんかは)自分で自分の体の状態を管理することはできません。
- 今日は暑いから薄着でとか
- 汗をよくかくから、細目に水分を取ろうとか
- 少し気温が暑くなってきたからクーラーや扇風機で涼しもうとか
ってあまり言わないですよね。
それよりも遊びたいときはおもいっきり、遊んではしゃぎ回りたいというのが当たり前です。
なので、まずは熱中症という病気をしっかりパパやママが理解し、管理する必要があります。
とは言っても、熱中症についてまずはどうなっているのかを知らなければ何もわかりません。
お子さんがどういった時に熱中症の可能性があるのか、まずはそのメカニズムについて簡単にご説明していきます。
熱中症とは
汗などで出ていった水分の補給が間に合わず、本来体に備わっている体温調節機能がおかしくなってしまう事で症状がでる状態
だと言われています。
う~ん、これってどういうことってなりません。
私自身は医療系の知識もある程度もち合わせているので理解はできるのですが、一般のパパ・ママさんからしたら「んっ?」って疑問になりませんか。
じゃあ、これってどういったことかというと、それが下の図になります。
上の図が平常時で普通の熱中症になっていない状態です。
そして、下の図が熱中症の時の体の状態です。
つまり平常時は暑くなったり、運動したりして、体の中の温度が上がった状態に対して、
人の体の特性として汗をかいたり、血液の流れを良くしてなんとか体の中の熱を発散させようとします。
この発散作用が体温調節機能と呼びます。
それによりこのシーソーのようにバランスがとれた状態にあるから、暑くても熱中症のような体になんらかの異常な症状がでることがありません。
しかし、熱中症になるということは、気温の上昇や運動後に起こる体の中の温度が上がりすぎることに対して、
熱を外に逃がすことができず(体温調節機能の異常)、どんどん体が熱くなってしまうことで、
普段見られない異常な症状がでてきます。
つまり下のシーソーのように体の中の体温はあがっているのに、それを下げることができず、どんどん体温だけが重たくなっていっている状態になります。
それによって、でてくる症状が、以下になります。
熱中症でみられる症状とは
- 高体温
- 頭痛、気分不快
- 筋肉痛、筋肉のこむらがえり
- 吐き気、嘔吐
- 倦怠感、虚脱感
- けいれん、手足の運動障害
- めまい、失神・立ちくらみ
- 意識障害
といった様々な症状がでてきます。
そして、熱中症の症状には軽度から重度まで実はそれぞれ分類されていて、それが以下の4つになります。
- Ⅰ度・・・熱疲労
- Ⅰ度・・・熱けいれん
- Ⅱ度・・・熱失神
- Ⅲ度・・・熱射病
ただ、こういったことに対して子どもたちは自分からあまりしんどいなんてことを滅多に口にだしません。
症状が重度になれば普段の様子と違い、あれ元気ないなって親も気づくのですが、
実は症状の出始めなんかはまだ元気なお子さんが多いような気がします。
恥ずかしながら、私も先日熱中症になったのですが、初めはちょっと頭がボーとして、なんだかだるいなって程度で、
全然動いたりする分には問題なかったのですが、いざ、仕事を終え帰って熱を測ると38℃近くあったなんてことがありました。
それぐらい初期症状って実はだるいな~って程度で済むんですが、
この時期にいかに早く対処できるかが実は熱中症では大事になってきます。
冒頭にも書きましたが、よく、幼稚園なんかでもちょっと調子が悪そうなので、お迎えいいですか?
って言われて行ってみるとすごい元気な状態の子がいるのも、園の先生なんかはこの熱中症をある程度経験してきているので、
子どものわずかな変化をみているってことがよくあります。
ただお迎えにいったのに、全然元気って時もあるんですけどね(笑)。
なので、あれうちの子こんなに暑いのに汗かく量が少ないなとか、
なんかすごい水分欲しがるなとか、
ちょっといつもより元気ないかなとか、
特に夏場なんかの暑い日には是非注意してくださいね。
今からできる熱中症対策と応急処置
では熱中症に対して気を付けるべきこととはということで、今からでもできる熱中症対策についてお伝えしていきます。
その前に、まず何よりお子様の状態を一番わかっているのが、いつも子どもをみているママやパパである皆様です。
なので、まずは子どもがどういった状態なのかをまずはしっかりみてあげてください。
この時に親が焦って気が動転してしまい、焦って病院に連れて行かないととか、
どうしようってあたふたしてしまうと、
それを見ているお子さんが余計に混乱したり、不安になったりするので、まずは落ち着くところから始めましょう。
とは、いっても子どもに何かあれば焦るのが親です。
そして、この熱中症には重症度があるように、応急処置などは早ければ早い方が良いです。
そのためには、いつ何時こういったことが起こった時にでも、すぐに対応できる熱中症に対する知識と応急処置の手順を身につけておきましょう。
涼しい場所に移動する
まずは、体内温度を下げることが必要です。
そのために、屋内にいるならクーラーなどの冷房がついた場所に移動することがおススメです。
ただ外で遊んでいる時ならそういった場所がない場合もあると思います。
その場合は日陰や涼しい場所をまずはみつけてそこで、横に寝かせてあげるなどの対応をしてください。
寝かせるポイントとして、体温が高くなると血圧が低下して、頭への血流も悪くなることで、意識がもうろうとしてきます。
そのため、まずはしっかり血流がよくなるためにも、頭や心臓より足元を高くするような姿勢をとりましょう。
この際にタオルやカバンなどで子どもの足を高くすることをしてください。
このように血液の流れをよくすることは、体の熱を外に出すひとつの手段になるので、是非横になれる場合は対応してみてください。
まずは子どもがしんどくないような状態にしてあげることを第一優先で行ってあげてください。
もし意識がないなどの重傷な場合は、速やかに救急車を呼んで対応してください。
その際もできるだけ、涼しい場所で待機することが大事です。
衣服をゆるめる
水分摂取をした後は、まずは体から少しでも熱を逃がすように、
着ている衣服を脱がしたり、ゆるめてあげることで、まずは体の表面の温度をさげるようにしてください。
例えば、ベビーカーや抱っこ紐で子どもが肌に密着する部分が多ければ多いほど、
熱を逃がすことが難しいので、そういった場合も速やかに熱がこもらないような対応を心がけてください。
そして、衣服という部分で気を付けておいて欲しい点がもう一点あります。
それは衣服の色です。
黒い服装は太陽の光を直接体内に吸収しやすいため、
もし熱中症の症状がある場合は速やかに黒い服は脱ぐようにした方が良いです。
水分と塩分を補給する
次にしなければならないのが、体の中に少しでも水分や塩分をいれてあげることが大事になります。
これは症状がでる前からも実はこまめにしておいて欲しいのですが、
症状がでてからもしっかり、補給できるよう外出先などでは常に水分は持ち歩くようにしておいてください。
ただ水分だけではその効果が薄いとされており、もう一つ大事なのが塩分も一緒に補給することが重要になります。
これは自分で手軽に作れる食塩水でもよいので、目安として、1ℓの水に対して1~2gの食塩を加えたものが良いそうです。
しかし、気を付けておいて欲しいのが、先日も乳幼児に食塩を与えるというニュースがありました。
昔の論文では
0~1歳児は特に危険が高く、食塩中毒を起こした赤ちゃんは、10g程度の食塩(小さじ2杯分)を摂取していた
との報告がありましたが、食塩の過剰摂取は食塩中毒の危険性もあるので、是非注意をしてください。
最近では、こういった熱中症や風邪の時に飲む経口補水液である「OS-1」なども販売されているので、
そういったものを正しく摂取するよう心掛けて下さい。
「OS-1」は今なら近くの薬局やドラッグストアなどにも市販でおいていたりするので、
最近では、子どもが飲みやすいようにゼリータイプのものもあるようなので是非自宅にストックしておくこともおススメします。
体を冷やす
まずは上記のように安静にすることを心掛けてください。
そして、それができれば体を冷やすことをしていきます。
ここで冷やすといっても直接冷たいものをあてて、体を冷やすといったイメージをもたれますが、実はそれは間違いです。
ただ体の表面を冷やしても一時的にその場所が冷たくはなるのですが、
かえって体が冷えたよって勘違いしてしまうので、初めに書いた体温調節機能が働きにくくなります。
なので、冷やす場所としては首や脇のした、手足の付け根など、太い血管が通る部分がありますので、そこを中心に冷やすことをおススメします。
血管を冷やすことで、血管自体がぎゅっと縮みやすくなるので、その分血液が流れるスピードが速くなります
(水を出すホースをイメージしてもらって、ホースの先を手で押さえると出口がぎゅっとしまり、水がでる勢いが強くなるようなイメージです)。
それによって早く血液を循環することになるので、体の熱を逃がしやすくなるという原理です。
皆さんは熱を下げるためにはどこを冷やしますか?
恐らく真っ先に頭に浮かんだのがおでこではありませんか?
実は熱中症の場合は冷やすとダメな場所としては、この「おでこ」になるんです。
えっ、風邪などの熱を引いた時はおでこを冷やしますよね?
だって冷えピタのように商品にもなっているくらいなのになんでって思う方もおられると思いますが、
これが先ほど伝えた、おでこを冷やすことで体が冷えたよという体温調節機能をもった脳が勘違いしてしまいます。
そうすると、体内自体ではまだ熱がこもっている状態なのに、
体が冷えたよって脳が勘違いすることで、体温を下げるために必要な汗をかくことも正常に働かなくなるので、
症状をより悪化させてしまう可能性があるので、熱中症の時はおでこを冷やすのは良くないと覚えておいてください。
どれぐらい冷やせばよいの
冷やす時間はその時々の状況にもよりますが、できるだけ熱を逃がすようにするため長い方が良いとされています。
しかし、子どもは冷やしておいてねっていっても言うことは聞かないもの。
まずは先ほどあげた部位をとりあえず10~15分ぐらい冷やして様子をみてみて下さい。
その際、アイスのンなどの凍らせているものであれば皮膚には直接ふれないようにタオルなどでくるんであてるようにしましょう。
冷たすぎると、その部分の皮膚がしもやけになったりして凍傷する恐れがありますので注意してください。
安静にする
もし、症状が軽く、ご自宅で様子が観察できるならまずは安静にすることがベストです。
またここで動いたりしてしまうと、動くことで再度体の中に熱を貯めこんでしまうことがあるので、できるだけ涼しい環境の中で安静にすることが重要です。
ここでもし、症状があまり改善されず、調子が悪そうなら必ずお医者さんにかかるようにしてくださいね。
熱中症は程度にもよりますが、大人の場合でも回復までに2~3日、
子どもの場合は1週間かかる場合があると言われる時もあります。
なので、無理せず回復するまでは激しい運動や遊びは控えるようにしましょう。
まとめ
- 涼しい場所に移動する
- 衣服をゆるめる
- 水分と塩分を補給する
- 体を冷やす(おでこじゃなくて、首すじや脇の下など)
- 安静にする
今回は熱中症になるためのメカニズムと、その対策についてお伝えしてきました。
夏になると熱中症になる子どもが必ず増えてきます。
何より熱中症にならないための予防がまずは第一に大事になってきます。
我が子を熱中症にかかりにくくするためのポイントをまとめた記事はこちら
夏必見!!熱中症になりにくい子どもにするためには!?今日からできる4つの体づくり!!
しかし、熱中症にならないように心がけていてもなるものはなります。
だって、その日その日で子どもの体調も違えば、外の気温なども変えることはできません。
ましてや、今日は暑いから子どもにあまり走り回るなってことは言えませんよね。
だから、まずは親御さんそれぞれが子どもが少しでもしんどい思いをしないように色々心がけていきましょう。
そして、万が一、熱中症になった時は焦らずまずはゆっくり対応することが大事になります。
お子さんを守れるのは、そのお子さんを見守るパパやママにほかなりません。
それでは、皆様の子どもの成長と健康を子育roomより祈っています。
またいつでも遊びにきてくださいね!!